婚約指輪 ダイヤモンドの選び方

婚約指輪はエンゲージリングとも呼ばれ、結婚を約束した男性から女性に贈られます。プロポーズの際に渡されることも多く、永遠の愛を誓う気持ちが込められているもの。その歴史は古く、ダイヤモンドは、古代ギリシア語のアダマス「破壊できない」という語源の通り、最高の耐久性と強さ、永遠性を備えた宝石で、女性にとっては愛の象徴として価値がある大切なジュエリーとなります。

ほとんどの場合で婚約指輪にはダイヤモンドが用いられるため、ダイヤモンドの大きさや品質は非常に重要です。一生で、婚約指輪を買う機会というのは、多くありません。そのため、どういったことを基準にしてダイヤモンドを選べば良いのかわからない、という方が大半です。こちらでは大切な婚約指輪で失敗しないためのダイヤモンドの選び方について紹介します。

目次

1.大きさを選ぶ

1-1.ダイヤモンドの価値を決める4Cの1つ「カラット」とは

ダイヤモンドリング画像

ダイヤモンドの大きさを表していると勘違いされがちの「カラット」。これは一説では、かつて平均的に同じ重さだった「カラムの実」の重さをダイヤモンドの取引の際の重さの基準に用いていたということから、現在もその名残が残っていると言われています。つまり「カラット」とは、大きさではなく、ダイヤモンドの重さを示す単位です。重さ0.2グラムのダイヤモンドは1カラットに換算されます。カラットは、ダイヤモンドの価値を決める4Cの中でも最も良く知られている、分かりやすい評価基準となっています。

ダイヤモンドのカラット数は、リングの印象を決めるとても重要なポイントです。カラットの合計値が多ければ多いほど、指輪の輝きは増します。こちらでは、婚約指輪に用いられるダイヤモンドの平均カラット数やカラット数ごとの金額について紹介します。

1-2.婚約指輪に用いられるダイヤモンドの平均のカラット数は?

ゼクシィが2015年に行った結婚トレンド調査では、購入した婚約指輪のダイヤモンドのカラット数について以下のようなデータが出ています。

0.2~0.3カラット未満 31.9%
0.3~0.4カラット未満 28.2%
0.4~0.5カラット未満 10.6%
0.2カラット未満 7.3%
0.5~0.6カラット未満 6.2%
0.6~0.7カラット未満 2.7%
0.7~0.8カラット未満 2.5%
1.0カラット以上 1.9%
0.9~1.0カラット未満 1.2%
0.8~0.9カラット未満 1.1%

最も選ばれているのが0.2~0.3カラット未満のダイヤモンド。次いで0.3~0.4カラット未満、0.4~0.5カラット未満と続きます。婚約指輪には0.2~0.5カラット未満のダイヤモンドを選ばれる方が多いようです。

0.5カラット未満と聞くと小ぶりなダイヤモンドを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、ブリリアントカットされたダイヤモンドの場合、0.2カラットはおよそ3.8ミリ、0.5カラットの場合はおよそ5.2ミリほどの大きさがあります。

0.3カラットもあれば、婚約指輪と十分な存在感を演出してくれるでしょう。ダイヤモンドの大きさはもちろん大きければ大きいほど、当然その存在感が高まり、注目を集める婚約指輪になります。

1-3.カラットごとに見るダイヤモンドの相場価格

0.2カラット 7,000~27,000円
0.3カラット 17,000~57,000円
0.5カラット 41,000~169,000円
1カラット 196,000~961,000円

カラット数が増えるごとに相場価格は高くなります。また、ダイヤモンドの価値はカラット数だけでは決まりません。そのため、同じカラット数でも相場価格に大きな差が出ています。

2.品質は重要

ダイヤモンドの価値は大きさだけでなく、その他の品質も重要になってきます。一般的にダイヤモンドの品質を決めるのは、Carat(カラット)・Cut(カット)・Color(カラー)・Clarity(クラリティ)の4つと言われています。この4つの目安は、それぞれの頭文字が全てCで始まることから「4C」と呼ばれています。そしてこの「4C」はダイヤモンドのグレードとも考えられています。

グレードの高いダイヤモンドは大変希少です。そのためダイヤモンドは、同じカラット数でも品質の違いで価格や見た目の美しさに大きな差が生まれます。たとえば1カラットのダイヤモンドだと75万円以上の価格差が出ることもあるようです。また、婚約指輪のダイヤモンドを選ぶ際、カラット数だけではなくその他の品質を追求して選ぶ方も多いようです。

2-1.【4C】ダイヤモンドのプロポーションを表すCut(カット)

ダイヤモンドの美しさである「輝き」の要素といわれる、ブライトネス(白色光)とファイヤ(虹色)とシンチレーション(煌めき)をもっとも引き出すのは、カット(プロポーション)です。カットとは、「4C」の中でも唯一人間の手によって決められるグレードで、カッター職人がダイヤモンドに施した研磨を評価する基準のことです。ダイヤモンドは理想的なカットに近づくほどに、その輝きを増すと言われています。代表的なカットは、「ラウンド・ブリリアント・カット」です。カットの等級は、最上級品を意味する「Excellent」が最も評価が高く、次いで理想的を表す「VeryGood」、良好を示す「Good」、やや劣るを意味する「Fair」、劣ると示す「Poor」の5段階で分けられています。美しく輝くダイヤモンドは、そのもの自体が光を発しているわけではありません。計算されたカットによって、外から受け止めた光をうまく反射することでキラキラと輝いているのです。そのため、カットによってダイヤモンドの輝きとその価値は大きく変わります。初めてダイヤモンドを見た時に「Excellent」と「Good」の違いを見分けることは難しいかもしれません。婚約指輪に用いるダイヤモンドならVeryGood以上のものを選びたいところです。

カットの鑑定はダイヤモンド表面に施された研磨状態と対称性、そして総合的な評価によって判断されます。ダイヤモンドは、ダイヤモンドの持っている光の屈折率から計算された理想の形というものが決まっています。きちんと表面研磨の施されたダイヤモンドは、表面の部分で強く光を跳ね返します。このダイヤモンド特有の星の瞬きのような白い光は「ホワイトライト」と言われます。そして対称性の高いダイヤモンドは、ダイヤモンドの内部で光が分散されることによって虹色となり、無限の色彩を感じさせる煌めきを魅せます。こういったダイヤモンドの形を「プロポーション」、表面研磨を「ポリッシュ」、対称性を「シンメトリー」として、これら3つの項目ですべてが最高グレードのものは「トリプルエクセレント」とも呼ばれています。またこのようなダイヤモンドのカットシンメトリーが理想的な物をスコープで覗くと、表側には矢の形、裏側にはハートの形が、それぞれ末広がりの8個ずつ見られることがあり、これらは「ハート&キューピット」と名付けられています。こうした「トリプルエクセレント」や「ハート&キューピット」といった名称は国際規格のものではないため、あくまでオプション的なものですが、日本国内では人気があります。

2-2.【4C】ダイヤモンドの色を評価するColor(カラー)

天然のダイヤモンドには、様々な色のものが存在します。元々ダイヤモンドは全てが無色透明ではなく、ほんのりと黄色味を帯びたものがあります。その中でも婚約指輪には、何色にも染められていない純白をイメージした無色寄りのものが選ばれていますが、ダイヤモンドは、無色透明に近いほど価値が高いとされ、全23段階に分けて評価。D等級が最も評価が高くE等級、G等級…と下がり、一番低いものがZ等級です。等級については大きく分けると、D.E.F等級が「無色」、G.H.I.J等級が「ほぼ無色」、K.L.M等級が「かすかな黄色」、N〜R等級が「薄い黄色」、S~Z等級が「濃い黄色」と区別されています。けれどもこれらの等級は他の基準と同様で、例えばD等級とF等級との差というのは非常に微妙なもので、区別することは大変困難です。カラーにこだわるならD等級ですが、こだわりがなければ婚約指輪に使用する場合、目安となるのはG等級以上と一般的に考えられているようです。

また、一部のダイヤモンドには赤色やピンク、青色といったファンシーカラーに分類されるものがあり、天然の魅力的な濃い色のものについては、その希少性から高く評価されています。意外にもダイヤモンドはカラーバリエーションの豊富な宝石です。Z等級以上に色のついている、ファンシーカラーダイヤモンドの中でも、特にファンシーレッドは非常に希少性が高く、全ての宝石の中でも最も価値があると言われています。

2-3.【4C】ダイヤモンドの透明度を示すClarity(クラリティ)

ダイヤモンドの傷の有無や光の通過を邪魔してしまう内包物の大きさを評価する基準をクラリティといいます。クラリティの等級は、まったく傷や内包物がないとされるFL(フローレンス)から、内側に傷が全くないIF(インターナリーフローレンス)、10倍に拡大するレンズで傷の発見が難しいVVS1~2(ブイブイエス)、10倍に拡大するレンズで傷の発見がやや難しいVS1~2(ブイエス)、10倍に拡大するレンズでは簡単に傷は発見できるが肉眼では難しいSI1~2(エスアイ)、肉眼で簡単に傷が発見できるI1~3(アイ)と11段階で評価されます。

クラリティが優れているダイヤモンドほど透明度が高く、美しさが際立ちます。しかし、FLやIFといった等級のダイヤモンドは、流通しているダイヤモンド全体の中でもほんの一握りです。また、クラリティの説明の通り、ダイヤモンドの傷というのは、専門家が10倍に拡大して確認をしても、VVSやVSの傷を発見することはとても難しいと言われています。同じ大きさのダイヤモンドであれば、FLはVSの何倍もの価格となります。そのため、婚約指輪に用いる場合は、内包物があるものの肉眼では確認できないレベルとされるVS2以上のダイヤモンドを選ぶと良いでしょう。特に、それより下のSI1~2クラスの場合、肉眼でも内包物が見えるため、婚約指輪には不向きかもしれません。

2-4.鑑定書(ダイヤモンドグレーティングレポート)とは

ダイヤモンドの品質はとても細かい等級に分けられています。日本で販売されているダイヤモンドはすべて鑑定士による品質鑑定を受けており、鑑定書が付属されています。鑑定書には4Cの各項目で下された評価が記載されており、ダイヤモンドグレーティングレポートとも呼ばれています。そして、こういった等級をつけている鑑定機関はいくつもあり、それらはすべて、公的な機関ではありません。たくさんの私的な鑑定機関の中から、信頼できる業者を選ぶことも大切です。ダイヤモンドの鑑定業者としては、GIA(米国宝石学会)、CGL(中央宝石研究所)、AGTジェムラボラトリー、IIGDRなどが有名です。

高級ブランドで使用されているダイヤモンドが必ずしも高品質であるとは限りません。鑑定書で同じ評価を受けているダイヤモンドでも、ブランド独自の加工やデザインによって価格に大きな差が出ることもあります。鑑定書によるダイヤモンドの品質そのものについての評価を重視するか、高級ブランドのアクセサリーとしてのステータスを重視するかは人によって異なるようです。

2-5.原産地証明書(キンバリー証明書)とは

ダイヤモンドは、品質における鑑定書の他に、産出国についての証明となる原産地証明書もとても重要です。産出国にとってダイヤモンドは貴重な外貨獲得資源です。しかし、その産出国が内戦などの紛争地域である場合、輸出した宝石類で得られた外貨は、反政府組織による武器の購入に充てられてしまうことも。それにより内戦の長期化や深刻化が懸念されることや人道上の問題から、関係業界では、内戦国から産出するダイヤモンドを「ブラッドダイヤモンド」と定義して、取引の対象外とすることが求められるようになりました。2003年には国連安全保障理事会によって「キンバリープロセス」と「システムオブワランティー」が制定されました。「キンバリープロセス」では、紛争ダイヤモンドの取引の禁止と、ダイヤモンドの原石を輸出する際に原産地証明書(キンバリー証明書)を添付することを義務付け、現在は世界の約69カ国が参加しています。

キンバリープロセスは日本国内でも平成15年より採用されています。つまり、原産地証明書の付いているコンフリクトフリーダイヤモンドとは、文字の通り、正規に輸入されたコンフリクト(紛争)とは無縁であるダイヤモンドということを証明しています。コンフリクトフリーのダイヤモンドは、人生の大切な記念となる宝石として婚約指輪にふさわしい、安心できるダイヤモンドであると言えます。

3.結局大きさと質、どちらを選ぶべき?

ダイヤモンドは大変魅力的な宝石です。婚約指輪において、ダイヤモンドの大きさを重視するか、大きさ以外の品質を重視するかはその人次第です。こちらでは口コミを参考にそれぞれの選び方の魅力について紹介します。

3-1.大きさ(カラット数)で選んだ人

ダイヤモンドを大きさで選ぶメリットは、身につけたときの華やかさです。その輝きから光の宝石とも呼ばれるダイヤモンドは、大きければ大きいほど、その存在感は高まります。大きさを重視する方の場合、その他の品質に関して「肉眼で分かるほどの傷や濁り、黄色味がない」といった最低限の基準をクリアしていれば十分と考える方が多いようです。

これは、婚約指輪を話題にする際、ダイヤモンドのカラット数やブランドを聞かれることはあってもカットやクラリティについてはめったに話題にならないことも理由の1つに挙げられます。また、この先ネックレスをはじめ別のアクセサリーにリフォームする時を想定し、大きいほうが良いという考え方もあるようです。

3-2.カラット以外の品質で選んだ人

指にしても、長さや形は人それぞれ違うもの。世間一般的な平均や、周りからの意見よりも、自分に一番似合うサイズのダイヤモンドを選ぶことも大切です。カットやカラー、クラリティの品質で選んだ方の場合、大きさよりもダイヤモンドそのものの美しさやアクセサリーそのものとしてのデザイン性に魅力を感じた方が多いようです。なかには「目立たないこだわりが愛着を生む」と考える方や、「小さくても濁りが一切なく、少しの光でも美しい輝きをみせるダイヤモンドのような妻になりたかったから」という選び方へのこだわりを感じさせる口コミも。また「手が小さいから大粒のダイヤが似合わない」といったファッション性や「普段使いできるサイズのダイヤモンドを選びたかった」などの、長い結婚生活を見据えた実用的な理由もあるようです。