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ダイヤモンドの三大市場・世界三大カッターズブランドとは

世界を旅するダイヤモンド~ダイヤモンドの三大市場~

ダイヤモンドはあなたに出会うまで、長い長い旅をしています。

ベルギー・アントワープの画像
三大市場のひとつ、ベルギーのアントワープ

天然鉱石のダイヤモンドが産出される場所は世界でも限られており、ボツワナや南アフリカ、アンゴラといったアフリカ諸国、ロシアやオーストラリア、カナダなどが代表的な原石産出地です。これらの国で産出された原石は、南アフリカのデビアス社や、ロシアのアルロサ社といった採掘会社が管理し、世界のダイヤモンド原石市場に流通していきます。

主にインド、ロシア、中国、タイなどで研磨された原石は、研磨済みダイヤモンドとしてダイヤモンド業者が数多く集まるアントワープ(ベルギー)テルアビブ(イスラエル)ムンバイ(インド)に運ばれていくので、この3ヵ所はダイヤモンドの三大市場と呼ばれています。

現在では、アントワープやラマット・ガンでは大粒の高額ダイヤモンドしか研磨されておらず、ほとんどのダイヤモンドは、人件費の安いインドで研磨されています。その他の研磨場としては、ロシア、中国、タイなどが挙げられます。

日本にやってくるのは、このような世界の流通経路で、原石から宝石へと形を変えたダイヤモンド。通常、日本のブランドは仲買商を経由してこれらのダイヤモンドを入手することになります。(例外としてエクセルコ・ダイヤモンドは、原石の買い付けからダイヤモンドのカッティングまで自社で行っている)

本当に有名?世界三大カッターズブランドとは

市場や流通経路の解説をしたところで、次は世界的に有名なダイヤモンドブランドの解説をしましょう。日本では『世界三大カッターズブランド』といえば、ロイヤル・アッシャー、ラザールダイヤモンド、モニッケンダムの3社が有名です。それぞれの成り立ちや特徴をまとめてみました。

ロイヤル・アッシャー 世界で唯一、英国王室から『ロイヤル』の称号を授与されたダイヤモンドジュエラー。1845年に創業し、1907年には史上最大のダイヤモンド原石である「カリナン」をカット、英国王室に献上しました。その歴史と技術から誕生した「ロイヤル・アッシャーカット」は74面をしていて、ダイヤモンドの内側から出る光の総量が多いのが特徴。ただ、現在は研磨をあまり行っておらず、サイトホルダーの資格も保有していません。
ラザールダイヤモンド ラザールダイヤモンドの創業者ラザール・キャプランは、クリービングというダイヤモンド原石を分割する職人でした。マルセル・トルコフスキーが考案・発明したダイヤモンドの理想形「アイディアルラウンドブリリアントカット」を基準に実際に研磨した「アイディアルメイク」は輝きを重視したカッティングとして有名です。史上2番目に大きな「ヨンカー・ダイヤモンド」をカッティングしたことでも名をはせています。
モニッケンダム モニッケンダムの熟練の研磨技術によって引き出されるダイヤモンドの白い輝きは「ラグジュアリーホワイト」と銘打たれています。創業120年の実績を誇り、「サークル・オブ・ラスター」(光の輪)という研磨技術を生み出したことでも知られています。

以上が日本で『世界三大カッターズブランド』と呼ばれている3社ですが、実は、世界的に見ると日本以外で『世界三大カッターズブランド』という呼称は存在しておらず、世界的なダイヤモンドマーケットにおいては、各々『世界三大』と呼ばれるような知名度はほとんどないブランドのようです。

三大市場の項で説明していたように、現在、ほとんどのダイヤモンドブランドは仲買商から購入したダイヤモンドを取り扱っています。自ブランドでサイトホルダーとして原石の仕入れからカット、ダイヤモンドの販売まで行っているならいざ知らず、ダイヤモンドの研磨を行っているマニュファクチャーとして『世界三大カッターズブランド』と銘打てるほどの差異はほとんどないのが実情のようです。