成り立ちや種類から見るカラーダイヤモンド

カラーダイヤモンドに色がつく理由をはじめ、産地や産出量、天然と人工のカラーダイヤモンドの違いを調べました。それぞれの色が持つ希少性や相場、特徴も紹介しているので、ぜひチェックしてください。

カラーダイヤモンドはなぜ色がつくのか

一般に知られているダイヤモンドは無色透明であることが多いですが、実際にはさまざまな色を持っている鉱物です。なぜ色のついた「カラーダイヤモンド」と呼ばれる結晶が存在しているのか、いまだ完全に科学的な証明がなく、不明な部分が多いと言われています。ここでは、現在分かっている理由について解説しました。

生成過程でさまざまな不純物が混ざる

ダイヤモンドの色は、地中のマントル部分に存在する窒素やホウ素、水素などの不純物が、ダイヤの結晶に取り込まれることで変わります。その割合は、ダイヤの原料である炭素原子100万個に対し、数10~数千個ほどです。天然に産出されるダイヤの多くが褐色をしており、無色透明なダイヤは極めて少数。このため、色がついたダイヤは炭素の結晶としては不完全なものとされています。天然のカラーダイヤのほとんどは、ダイヤに含まれる窒素原子の割合とそのまわりにある炭素原子の組み合わせで色が決まるのです。たとえば、ダイヤが結晶化するまでに窒素原子を取り込むことで、ピンクダイヤやレッドダイヤに変わります。また、ホウ素原子などの含有率によってブルーダイヤに変化。

マントル中では、窒素もホウ素も炭素原子以上に微量であり、カラーダイヤはマントルの中で極めてまれな元素を吸収したということになります。そのため、カラーダイヤは希少かつ高価な宝石になるのです。

放射線の照射などによる結晶構造の変化

ダイヤが放射性岩石の近くに存在している場合、自然の放射線を浴びることで起こった構造的変化により着色されることがあります。グリーンダイヤモンドに見られる現象です。

熱や圧力による変化

ダイヤの結晶そのものに、熱や外的圧力によってゆがみが生じることも。その場合、ダイヤは一部の光のみを吸収しない性質に変化して、ダイヤをさまざまな色を持ったカラーダイヤに変えるのです。

カラーダイヤは不純物やゆがみなどが要因となって色がついていることが分かりました。しかし、まだすべてが解明されたわけではなく、今後の研究によって新たな要因が発見される可能性があります。

カラーダイヤモンドの産地と産出量

産地について

ピンクダイヤモンドの産地として、オーストラリアのアーガイル鉱山が有名です。カラーダイヤの産出国として名高いロシアをはじめ、最初にダイヤを発見した国であるインド、18世紀から主要産出国となったブラジルなども挙げられます。また、現在は南アフリカやタンザニア、アンゴラなどのアフリカ勢が主要な産出国です。近年カナダでも新しい鉱山が発見されたことで、新たなカラーダイヤの産出地として期待されています。

産出量について

ダイヤ1万個のうちカラーダイヤが見つかる可能性は1~10個以内だと言われています。ときには1個も見つからないことも。特にピンクダイヤの場合、全ダイヤ産出量の0.01%ほどがカナダのアーガイル鉱山で採掘されており、この量は世界のピンクダイヤの90%以上を占めています。

カラーダイヤの中で、比較的産出量が高いのがイエローダイヤとブラウンダイヤ系です。ただし質の良いイエロー・ブラウンダイヤが採掘できる確率は非常に低く、宝飾品として高い価値を持つカラーダイヤを探すのは難しいと言えます。需要の高まりなどにより、カラーダイヤは供給不足が続いている状況です。ピンクダイヤやブルーダイヤのような希少価値の高いダイヤモンドが採れる鉱山は、今後も大きく注目されることでしょう。

トリートメントダイヤモンドとナチュラルダイヤモンド

カラーダイヤモンドは色の起源によって「トリートメントダイヤモンド」と「ナチュラルダイヤモンド」の2種類に分類されます。ここでは、それぞれの違いについて見ていきましょう。

トリートメントダイヤモンドについて

天然のダイヤに対して、色のみを人工的につけたものがトリートメントダイヤです。人工的に色をつける方法として、放射線を照射して色をつける方法や分子構造を変えて色を生じさせる方法、高温高圧(HPHT)プロセス法などがあります。放射線処理といっても、現在では電子線照射が行われているため、トリートメントダイヤに放射能が残ることはありません。現在は原子炉処理に技術が移行していて、ピンクやブルー、グリーンなどの色合いのものが生み出されています。高温高圧(HPHT)プロセス法は、窒素やホウ素といった微量の不純物を加えることで特定の色に変える方法です。これらの方法を用いてトリートメントダイヤを生み出しています。

ナチュラルダイヤモンドについて

天然のカラーダイヤモンドを指します。イエローやグレーなど色味の強い原石を、何のトリートメント技術も施さずに掘り出してカットしただけの状態で流通させているダイヤです。通常、ダイヤは加熱や放射線照射、高温高圧処理などのトリートメントを行って色味や内包物を取り除きます。これにより一般的な評価が高くなるからです。昔の日本では商品としてほとんど出回っていなかったのですが、カラーダイヤの認知度が上がったことで少しずつ普及され始めています。

カラーダイヤモンドにはどんな色があるのか

一口にカラーダイヤモンドといっても、さまざまな色があります。ここでは、ピンクやブルー、ブラックなどの人気・希少価値ともに高いダイヤや、ほとんどお目にかかれないレッドダイヤ、手に入れやすいイエローやブラウンダイヤなどをご紹介。他の色も載せていますので、どうぞご覧ください。

ピンクダイヤモンド

ピンクダイヤモンドは、1カラット以上のものが年に数10個、2~3カラットクラスは数個しか採掘できないといわれるほど、希少性の高いダイヤです。女性的な優しさを感じられる色味から、カラーダイヤのなかでも特に人気の高いダイヤモンドになっています。ゴールや完結された愛、最終決定という意味を持っていて、婚約指輪や結婚指輪として選ばれることも多いのが特数。価格は、ピンクの色味と輝きが強ければ、0.1カラットのものでも50万円ほどの価値がつきます。

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オレンジダイヤモンド

最高級の色合いのものに「パンプキンダイヤモンド」という愛称がつけられるオレンジダイヤモンド。有名なオレンジダイヤに、ハリー・ウィンストン製の総カラット42.77ctの「パンプキン・ダイヤモンド・ブローチ」があります。色の具合によって違う印象を見せてくれるのが特徴。アーガイル鉱山をはじめ、中央アフリカやコンゴでも良質なオレンジダイヤが産出されています。

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レッドダイヤモンド

レッドダイヤモンドは、存在がほとんど知られていない希少価値の高いダイヤです。とにかく産出量が少なく、ピンクダイヤの中からさらに選別されるカラーのため、ほとんど見つかることはありません。カラーダイヤは「4C」とは別の評価基準がGIAから用意されていて、色合いの濃さから9段階のグレードに分かれています。しかし発見数の少ないレッドダイヤは9段階のグレードを設けることができず、現在「派手な赤」「派手な赤紫」「派手なオレンジレッド」の3種類で評価しているのです。

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イエローダイヤモンド

他のカラーダイヤよりも比較的入手しやすいのがイエローダイヤモンドの特徴です。しかし、なかには「カナリー・イエロー」と称賛されるイエローダイヤもあり、世界中の女性の憧れの的になっています。ピンク・ブルーダイヤに比べて大粒でも入手しやすく、普段使いから婚約指輪まで幅広い楽しみ方ができるカラーダイヤです。価格は無色透明のダイヤと同じく、カット・カラット・クラリティなどで変わります。

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グリーンダイヤモンド

美しい緑色が印象的なグリーンダイヤモンド。淡い色味から濃くてはっきりしたものまでカラーが幅広いのが特徴です。価値は、濃くはっきりした色味のものが高くなります。蛍光性という特徴もあり、ブラックライトを照射したときに、美しい蛍光色を確認することが可能です。特にリングやブレスレット、ネックレスなど、アクセサリーとして人気の高いダイヤ。価格は、0.5カラットでおよそ30~200万円前後の値段がつきますが、品質や輝き、色合いによっても変動します。

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ブルーダイヤモンド

希少価値が高く、1カラットあたり1億円を超えて取引されることがあるブルーダイヤモンド。カラーダイヤモンドの中では一番価値が高いと称されるレッドダイヤと並ぶくらい、手に入りにくいダイヤだと言われています。産地は、南アフリカにあるカリナン鉱山が有名で、29.6カラットのブルーダイヤが産出されたことも。落ち着いた色味から年配の方にも人気が高く、銀婚式でパートナーにプレゼントとして選ばれることの多いダイヤです。

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ホワイトダイヤモンド

純白のイメージから、婚約指輪やブライダルアクセサリーとして選ばれているホワイトダイヤモンド。一般的に称される無色透明のダイヤはこのホワイトダイヤのことを指しています。ダイヤの価値を決めるのは、カラー・カラット・カット・クラリティという4つの判断基準。この判断基準のカラーにおいて、ホワイトダイヤは黄色がかっていないものに高い価値があるとされています。

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パープルダイヤモンド

美しい紫色を持つのがパープルダイヤモンドです。一見して紫色に見えても、薄い色だと鑑定結果がピンクダイヤになったり、濃い色合いだとディープではなくブラウニッシュと評価されたりすることも。色がはっきりしていても、赤に近いか青に近いかでその印象が大きく変わるのが特徴です。相場は、イエローダイヤの同じグレードのものより2倍ほど高い値段がつくことがあります。

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ブラックダイヤモンド

ブラックダイヤモンドは黒い色を持つダイヤのこと。見た目はオニキスやヘマタイトのようですが、放つ光の強さとダイヤ独特の硬さを持ち合わせています。黒さの理由は、ダイヤに肉眼では確認できないほどの微細な含有物が多数含まれているため。漆黒の美しい色合いを持った天然のブラックダイヤは希少価値が高く、市場で見かけるものはトリートメントのブラックダイヤである場合がほとんどです。

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バイオレットダイヤ

青紫に近い色合いが特徴を持つのが、バイオレットダイヤモンドです。パープルダイヤと混同されがちですが、パープルダイヤは赤紫、バイオレットダイヤは青紫に分類されます。バイオレットダイヤのほとんどが淡い青紫をしており、見た目はグレーに近い色合いです。そのため、色が濃く出ていて青紫色の美しいダイヤほど、相場は高くなっています。

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ブラウンダイヤモンド

イエローダイヤと同じく産出量が多いのがブラウンダイヤモンドの特徴。比較的安く入手できるカラーダイヤです。ブラウンダイヤのなかでも最高級の色合いのものは「コニャックダイヤ」と称賛されていて、コレクターに人気があります。近ごろ、カラーダイヤの価値が上がったことで、普段使いとして需要が高まっているダイヤです。

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グレーダイヤモンド

グレーダイヤモンドは、薄く黒みがかった色合いを持つダイヤです。パワーストーンとしての需要があり、パートナーとの関係向上や問題を解決に導くといった効果があるとされています。グレーダイヤのネックレスやピアス、リングなどを身につけることで自分の内なる力を拡張させて、自信を持たせてくれる効果も。相場価格は0.1カラットで5000円前後です。

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バイカラーダイヤモンド

一つのダイヤに異なる2つの色が混在しているのが、バイカラーダイヤモンドです。天然ものの存在数が限られてくるため、通常のカラーダイヤよりも希少価値が高いといえます。0.5ct相当のダイヤに、単色カラーダイヤより10万円以上の高値がつくほどです。

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カメレオンダイヤモンド

一定の条件で色が変わるのがカメレオンダイヤモンドです。一晩暗所に保管した場合や緩やかに熱が加わると、数秒から数分ほど色が変わります。常温ではオリーブグリーンやグリーングレー系の色を持ち、加熱後に淡いレモン色やオレンジイエローに変化。温度が下がることで元の色に戻ります。ほとんど産出されることがないので、小ぶりな裸石や指輪でも非常に高額になることも。富裕層の間で大変高い需要を誇るダイヤです。

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レアーダイヤモンド

希少性の高いダイヤにつけられる名称であるレアーダイヤモンド。バイカラーダイヤやカメレオンダイヤ、オパールダイヤと呼ばれる乳白色のダイヤなどが数えられます。ダイヤの中に他の宝石や鉱物を内包しているものもレアーダイヤの一種です。これまでにガーネットやグリーン・ダイオプサイド、ルチル結晶などを内包したダイヤが発見されています。

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