ダイヤモンド選びで失敗しないためのHow toサイト
コロナウィルス感染症や、昨今のウクライナ情勢に伴う物流コストの高騰・物価上昇により、各ブランドの指輪の価格が改定されていることが考えられます。最新の情報については公式HPを確認ください。(2022年4月)
「給料の3ヶ月分」とも言われているほど、ダイヤモンドは手の届きにくい、高価なイメージがありますよね。実際のところ、ダイヤモンドの価格はどうやって決められているのか、ダイヤモンドの卸をしているデビアス社の戦略をまとめながら紐解いていきます。サイトホルダーと呼ばれる販売システムについても記載しているので気になる方はチェックしてみてください。
目次
ジュエリーショップに並べられているダイヤモンドはなぜ高価格を保っているのでしょうか。ダイヤモンドは資源相場と同じように、ダイヤモンドの原石を供給・採掘している企業が供給量を調節して、原石相場が決定されます。
採取された原石の状態のときは決して高額ではありません。掘削・研磨をしながら宝飾品用に加工されていく中で、工程が加わるごとに料金が加算されていきます。
手を加える前の原石に比べて加工後のダイヤモンドの値段は2倍近くに上がるのです。更に卸売・小売業者のマージンもダイヤモンドの料金に含まれると、更に値段が上がることになります。ダイヤモンドは歴史のなかで国際的な基準が確立されてきたため、品質・価格ともにバランスの良い状態が保たれている鉱物です。国際的な流通価格が設定されてからというもの、世界中で行われていたダイヤモンド市場には変革が起きました。その後今日に至るまでも、市場での価格に大きな影響を与え続けていると言われています。
18世紀後半に創業したデビアス社は世界中のダイヤモンド原石の価格を操作してきたと言われています。デビアス社の創業元である南アフリカで大規模なダイヤモンド鉱山が発見され、ダイヤモンドが大量生産され始めてからは、希少性が低くなり始めてしまったもののデビアス社はダイヤモンドの価格を安定させるためにさまざまな鉱山を買収してきました。流通しているダイヤモンドの約90%がデビアス社のものという時期があったほどです。
ダイヤモンドは「サイト」と呼ばれる年に10回実施される販売方法によって原石が供給されます。この「サイト」への参加資格は「サイトホルダー」と呼ばれ、ダイヤ市場においてデビアス中央販売機構という名の機関の厳しい審査によって決定されることになっていました。デビアス中央販売機関は資源メジャー「デビアス」が取り仕切っていた機関です。
このことにより世界中の加工業者は、ダイヤモンドの原石を手に入れたいときにはデビアス社を通さなければダイヤを購入できなくなりました。デビアス社というひとつの資源メジャーの策略により、現在のマーケットシステムは作り上げられたのです。
サイト参加でのルール
人々の心に届く広告戦略が得意なデビアス社。「a diamond is forever(ダイヤモンドは永遠の輝き、デビアス)」という文言を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。1948年にデビアス社が発表した、有名なキャッチコピーです。その他にも「婚約指輪は給料の3ヶ月分」という衝撃的なキャッチコピーも注目を集めました。「数ある宝石の中で、ダイヤモンドを贈ることだけが特別な意味を持つ」というイメージ戦力が人々の心を掴み、それがダイヤモンドの価値をさらに高めていきました。そのイメージ戦略はダイヤモンドを貰う側の女性のステータスともなり、今日まで多くの女性を虜にしてきました。
デビアスグループは長い間価格維持のための戦略をしていましたが、2000年にそれを放棄。現在はデビアスグループの原石の市場は90%から50%にまで下落しているそうです。
ダイヤモンドは掘削・一括買取・原石の販売・研磨・加工・販売というプロセスを経て宝石として販売されます。この工程はすべて1つの国で行なっているのではなく、さまざまな国を経由して消費者のもとにダイヤのリングが届くのです。
ここでは、ダイヤモンドの流通ルートについて見ていきましょう。
いくつかの自然条件が偶然重なって奇跡的に生み出されたのが「ダイヤモンド」です。そのため、天然物は限られた地域でしか採掘できません。主要な産出国は南アフリカ共和国を中心としたアフリカ大陸や カナダ・オーストラリア・ロシアなどが挙げられます。
このうち、ロシアは独自のルートを持っていますが、そのほかの産出地は南アフリカ共和国にあるデビアス社により一括購入されているのが現状です。
サイトで行なわれている販売方法は、「オールオアナッシング」。日本語に訳すと「妥協を許さない立場や決意」という意味です。サイトホルダーは事前に自社の要求をダイヤモンドの種類別に提出しますが、これはあくまで希望でありすべて叶えられるのではありません。サイトホルダーは紙袋に入れられた複数の原石を提示され、自分の希望と合致しているかを判断し、購入するかどうかを決定します。このとき、袋の中身の選別買いは一切認められていません。すべて買うか買わないかの2択。もちろん希望と合っていなければ断ることもできますが、断り続けると次回開かれるサイトに招待されないこともあるのです。
サイトホルダーによって購入されたダイヤモンドの原石は、ベルギーに送られて研磨工程に入ります。
送られた原石は、美しく輝かせるために研磨・レーザー加工が行なわれ、これらはベルギーやイスラエル、インドの主要3カ国で施されます。
このうち、インドにはメレと呼ばれる0.2カラット以下の小型ダイヤや品質がイマイチの原石がよく回されてくるそうです。
研磨・加工によって原石から宝石に変身したダイヤモンドは、輸入業者や宝石商、個人バイヤーなどの仲介商によって、需要の高い日本やアメリカなどの先進国を中心に世界で販売されます。日本へは年間約200万~250万ct、金額にすると1200億円ほど輸入されてくるそうです。
ダイヤモンドに装飾を施し、一般的に知られているようなリングやイヤリングに加工して販売されます。日本では装飾品にデザイン性のある加工を施し、付加価値が付けられてお店に並べられるのが一般的です。装飾品以外にも、文房具や衣類、楽器など、実用品としても利用されています。日本の場合はダイヤモンドだけではなく、ファッション性やデザイン性に優れた付加価値の違いからも価格が異なることを理解しておきましょう。
ダイヤモンドの原石の価格はそこまで高くはありません。しかし、リングやイヤリングになるまでの工程にコストが発生するため、最終的に高額になってしまうのです。
ダイヤモンドの価格は、「需要と供給」「外国為替相場」「流通経路コスト」による要因と品質によって決まります。
ダイヤモンドが顧客の元に届くまでのルートは、通常ルートと「サイトホルダー」のルートで2種類あります。通常のルートとは、ダイヤモンド鉱山を経たあと、卸売業者や小売業者などの中間業者を通じてお客さんの元へ届く仕組みになっています。一方、「サイトホルダー」である企業は、仲介業者を挟まずに顧客の元へ届けられる仕組み。価格と品質の両方を自社で決められていることになります。
ダイヤモンドの価格が高くなるのは、お客さんの元に商品を届けるまでにさまざまな流通会社を経由するから。その際に発生するマージンがダイヤモンドの商品価格のほとんどを占めているのです。
サイトホルダーは仲介業者を挟まない分、安くダイヤモンドが購入でき、かつ加工前の段階から品質の良い商品を手に入れることができます。
これまでダイヤモンドの発掘から指輪になるまでの工程を紹介してきました。ここからは、なぜダイヤモンドが高いのか見ていきましょう。
ダイヤモンドは、地球から採れる天然資源です。地中150キロという、かなり深いところで作られます。しかし、現在の技術は150キロという深さまで地中を掘ることはできません。人の手によって掘り出せるのはたったの12キロほど。人間がダイヤモンドを手に入れるためには、地表に出てきたものを自力で見つけ出すしかないのです。しかし、ダイヤモンドは単純作業で見つけるのは難しく、1カラットのダイヤモンドを発見するのに約4トンの採掘原石が必要であると言われています。大変な手間がかかるため結果的にお金がかかるため、ダイヤモンドは高価になるのです。
ダイヤモンドはとても硬いため、加工するには手間がかかります。場合によっては、手作業での加工が必要になることもあるため、それがダイヤモンドの価格を高騰させているのです。
以上の理由から、ダイヤモンドは希少価値が高く、採掘には時間と手間がかかるため高価な宝石。また、美しく耐久性に優れていることもダイヤモンドが世界で最も高級な宝石として人々を魅了している理由なのです。
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