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カルティエ・ダイヤモンドとも呼ばれたテイラーバートンとは

テイラーバートンは世界的に有名なダイヤモンドのひとつとして知られており、かつてはあのカルティエに展示されたこともあって「カルティエ・ダイヤモンド」とも呼ばれています。

そんなテイラーバートンとはどこで見つかったどんなダイヤモンドだったのか?なぜカルティエに展示されることになったのか?そうした情報をここでまとめましたので、ぜひ参考にして下さい。

1.テイラーバートンの原石が見つかった場所

テイラーバートン宝石
画像引用元:Worthy公式HP
https://www.worthy.com/famous-diamonds/the-taylor-burton-diamond

テイラーバートンの原石が見つかったのは、南アフリカのプレミア鉱山です。1966年に発見されました。原石の大きさは約241カラットもあり、ダイヤモンドの原石としては驚異的な大きさでした。

この大きな原石を、当時アメリカ屈指の高級宝石商であったハリー・ウィンストンが購入し、69.42カラット(13.9g)のペアーシェイプにカットさせて、極上の宝飾品として使えるダイヤモンドに仕上げたのです。

2.テイラーバートンとはどのようなダイヤか

2-1.テイラーバートンという名前の由来

テイラーバートンという名前の由来は、実は世界的に有名な俳優であるリチャード・バートンと、これまた世界的に有名な女優であるエリザベス・テイラーの2人の名前が由来となっています。

リチャード・バートンが、当時の妻であったエリザベス・テイラーのために、当時このダイヤモンドの所有者となっていたカルティエから買い取り、2人の名前をつけたのです。

2-2.テイラーバートンのカラー・クラリティ

テイラーバートンのカラーとクラリティは、リチャード・バートンが購入する前に実施されたGIA(米国宝石学会)によるグレーディングにおいて、クラリティはIF(インターナリーフローレス)、カラーグレードはFと判断されました。

クラリティは11等級中2番目で、カラーグレードも「無色」と判断されるFカラー。

テイラーバートンは単に大きさだけが魅力なのではなく、宝石としての品質そのものもきわめて高いものだったことがわかります。

しかし、テイラーバートンはエリザベス・テイラーが身につけている数年間のうちにかなり過酷な扱いを受けたことにより、クラリティはVVS2にグレードダウンしてしまいました。

3.テイラーバートンを取りまく背景

3-1テイラーバートンがカルティエに展示されるようになった理由

テイラーバートンは、リチャード・バートンが買い取るまではそもそもテイラーバートンという名前もついていませんでした。

まず、原石を購入して宝石として仕上げた宝石商ハリー・ウィンストンから、この仕上がったダイヤモンドを1967年に購入したのが、ニクソン大統領に駐英大使として任命されていたウォルター・アネンバーグの女兄弟であるハリエット・アネンバーグ・エイムズ夫人です。

しかし2年後の1969年、このダイヤモンドは競売にかけられました。たった2年で手放した理由は、年間約3万ドルにものぼる保険料の支払いに、エイムズ夫人の夫が難色を示したためと言われています。そしてこの競売で、105万ドルで落札を果たしたのがカルティエ社のオーナーであるロバート・ケンモアだったのです。

「ひとつのダイヤモンドの落札価格が100万ドルを超える」というのは当時史上初のことで、それまでの最高記録だった30.5万ドルを大きく上回りました。そして、このダイヤモンドの売却条件のひとつには「命名権」も入っていました。落札者であるカルティエ社はこのダイヤモンドの命名権も得られたため「カルティエ」と命名し、このダイヤモンドはカルティエ・ダイヤモンドと呼ばれ、カルティエに展示されることとなったのです。

3-2カルティエ・ダイヤモンドからテイラーバートンになるまで

というわけで極上の巨大ダイヤモンドは、カルティエに展示されることとなりましたが、実はその競売の際、リチャード・バートンも代理人を立てて競売に参加していました。しかしカルティエに競り負けてしまい、落札できなかったのです。

あきらめきれなかったリチャード・バートンはカルティエと交渉を続け、ついに買い取ることに成功しました。そしてこのダイヤモンドはテイラーバートンと名付けられたのです。

この時の売買条件として「一定期間ニューヨークとシカゴのカルティエで展示する」というものが含まれていましたが、それが終わってからは、このダイヤモンドをリチャード・バートンからプレゼントされたエリザベス・テイラーが使うようになりました。

しかし、1978年に2人は離婚。そして1979年6月に、エリザベス・テイラーはテイラーバートンを売却しました。その売却価格は、280万ドル・300万ドル・500万ドルなど諸説ありますが、いずれにせよ「カルティエが落札した時の価格よりもはるかに高い金額で売れた」ということは間違いありません。

エリザベス・テイラーによる過酷な使用でクラリティがダウンしてしまったにもかかわらず「あのカルティエに展示された」「あの2人の名前がついている」といった付加価値がつけられたことで、大きく値を上げたのです。

3-3テイラーバートンの金銭的価値のイメージは?

さて、エリザベス・テイラーがテイラーバートンを売却した際の売却額300万ドル(または280万ドル・500万ドル)という金額は、今の円相場で考えると300万ドルで3億円台、500万ドルでも5億円台ということで世界的に有名な宝石としてはそれほど高くないというイメージがわくかもしれませんが、当時と今ではドルの価値も大きく違います。

当時の300万ドルがどのくらいの大金だったのかというと、ひと言でいえば「映画を作ることも可能なレベルの大金」でした。まず参考までに、テイラーバートンが売却された年である1979年の洋画配給収入トップ10は以下のとおりとなっています。

  1. スーパーマン
  2. ナイル殺人事件
  3. グリース
  4. ジョーズ2
  5. チャンプ
  6. エイリアン
  7. ロッキー2
  8. エーゲ海に捧ぐ
  9. メテオ
  10. ピンク・パンサー4

そして、このトップ10映画の各製作費は以下のとおりとなっています。

  1. スーパーマン:5500万ドル
  2. ナイル殺人事件:800万ドル
  3. グリース:600万ドル
  4. ジョーズ2:2000万ドル
  5. チャンプ:200万ドル
  6. エイリアン:1100万ドル
  7. ロッキー2:760万ドル
  8. エーゲ海に捧ぐ:不明
  9. メテオ:1600万ドル
  10. ピンク・パンサー4:1200万ドル

そう、5位の「チャンプ」ならテイラーバートンひとつで製作費がまかなえる、という状況なのです。「エーゲ海に捧ぐ」はイタリア・日本の共同製作映画で、残念ながら製作費データは見当たりませんが300万ドルを超えるものではない可能性が高いです。

数ある洋画の中でも選りすぐりの、大掛かりな映画が並ぶトップ10の中にさえテイラーバートンの売却額だけで製作費をまかなえる作品が存在するという事実を考えると「テイラーバートンの売却額というのは、大掛かりでない映画の製作費なら十分まかなえるほどの大金だった」と言えるでしょう。

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